日仏国際シンポジウム「中近世フランス・ラングドックの領域史」2014/10/11,12

2014年10月11日（土）・12日（日）の両日にわたって、日仏国際シンポジウム「中近世フランス・ラングドックの領域史」を開催いたしました。

本プログラムは、科学研究費（S）「わが国の都市史学の確立と展開にむけての基盤的研究」（研究代表者：伊藤毅）の一環として東京大学伊藤毅研究室が中心となって研究をすすめているフランス沼地研究会が開催するもので、一日目の第Ⅰ部は研究会メンバーを中心としたセミナー（沼地研究会会員限定）、二日目の第Ⅱ部はシンポジウム（一般公開）を予定しております。

第Ⅱ部は「領域と居住：中近世ラングドックにおける危機対処の変遷」と題して、フランスからモニク・ブーラン氏、ジャン＝ルー・アベ氏、ジルベール・ラルギエ氏の３人の先生をお招きし、ご講演いただきます。ラングドック地方の中近世農村史・都市史の第一人者である先生方が一堂に会する稀少な機会ですので、みなさまお誘い合わせのうえふるってご参集ください。

開催情報

イベントタイトル

（和）日仏国際シンポジウム「中近世フランス・ラングドックの領域史」
（仏）Colloque international Franco-japonais《Histoire de territoires dans le Languedoc médiéval et moderne》

主催者

〔主催〕2013-2017年度科学研究費補助金・基盤研究(S)「わが国における都市史学の確立と展開にむけての基盤的研究」（研究代表者：伊藤毅）
〔共催〕日仏歴史学会、都市史学会
〔後援〕日仏工業技術会、日仏会館

基本情報

〔会期〕2014年10月11日（土）14:00-17:30、12日（日）10:30-17:00
〔会場〕日仏会館・501号室（第Ⅰ部）、ホール（第Ⅱ部）
〒150-0013 東京都渋谷区恵比寿3-9-25　アクセスマップ

趣旨

われわれ共同研究グループ（フランス沼地研究会）は、中世南西フランスに簇生した新都市バスティードの共同研究の経験をひとつの契機としながら、現在フランス・ラングドック地方における中世から近世にかけてのテリトワール論（領域論）を学際的体制で進めている。今回は当該地域の中近世農村史・都市史の第一人者である３人の研究者を日本に招聘し、特定地域の領域分析の方法と視角を学ぶことにした。ラングドックについて、中世から近世にかけての人々の居住とそこに迫るさまざまなレベルの危機、それらの危機への対処の仕方などに着目して、領域の歴史的推移を通時的に跡づけてみようというのが本シンポジウムの狙いである。現在のフランスにおける先端的な研究状況が示されるとともに、わが国での研究関心の所在と突き合わせ、日仏間の有意義な対話が実現することを期待したい。中近世フランス・ラングドックに特化したこの種の研究集会はわが国ではおそらくこれが最初であり、３人の泰斗が一堂に会することも稀少な機会である。この比較的絞り込んだテーマの芽から、より普遍的な史的論点が育ち、今後の日仏ラングドック研究の国際協力の端緒になることを願ってやまない。

プログラム

10月11日（土）

第Ⅰ部　日本人によるラングドック地方への眼差し：カペスタンを起点として［沼地研究会会員限定］
司会：加藤玄（日本女子大学）
14:00-14:15　はじめに｜伊藤毅（東京大学）
14:15-16:30　研究報告

14:15-14:45
＊向井伸哉（トゥールーズ大学博士課程）
「村門と囲壁にみる村落共同体の歴史：旧体制下のカペスタン村」
14:45-15:05
＊中島智章（工学院大学）
「カペスタン囲壁の売却の試みと新たな都市計画」
15:05-15:20　休憩
15:20-15:50
＊小島見和（東京大学博士課程）
「放牧によって形成された都市ナルボンヌの領域：十六世紀の一枚の絵図から」
15:50-16:10
＊加藤耕一（東京大学）
「カペスタンの都市組織に見られる形態の変遷：聖堂と街区に関する仮説的分析」
16:10-16:30
＊坂野正則（武蔵大学）
「宗教的境域としてのラングドック（十七〜十八世紀）：宗教社会文化史の新たな視角のために」

16:30-17:00　コメント

モニク・ブーラン（パリ第一大学名誉教授）
ジャン＝ルー・アベ（トゥールーズ大学）
ジルベール・ラルギエ（ペルピニャン大学名誉教授）

17:00-17:30　ディスカッション

10月12日（日）

第Ⅱ部　領域と居住：中近世ラングドックにおける危機対処の変遷
［一般公開・日仏同時通訳・先着順定員100名］※なお、資料・お茶代として1,000円頂戴いたします。
司会：伊藤毅（東京大学）
10:30-10:40　開会の挨拶｜中野隆生（学習院大学・日仏歴史学会）
10:40-10:50　趣旨説明｜伊藤毅（東京大学）
11:00-16:00　講演

11:00-12:00
＊モニク・ブーラン（パリ第一大学名誉教授）
「中世初期・盛期の防備居住：形態と機能の比較」
12:00-13:30　昼食
13:30-14:30
＊ジャン＝ルー・アベ（トゥールーズ大学）
「非常時の共同体：中世末期の村落防備」
14:30-14:50　休憩
14:50-15:50
＊ジルベール・ラルギエ（ペルピニャン大学名誉教授）
「十五世紀末から十八世紀末ラングドックにおける危機の変遷」

16:00-16:30　コメント

佐藤彰一（名古屋大学名誉教授・日本学士院会員）
中野隆生（学習院大学・日仏歴史学会）

16:30-17:00　ディスカッション

18:00- 懇親会＠日仏会館1Fレスパス（会費5,000円）

お問い合わせ

日仏国際シンポジウム運営委員会事務局
〒113-8656 東京都文京区本郷7-3-1 東京大学工学部1号館3階303号室 伊藤毅研究室気付
TEL: 03-5841-6184
Mail: francesympo2014@itolab.org