アイルランド

本研究会はアイルランド及び北アイルランドの都市を対象とし、海に囲われたその肥沃とはいえない大地において、いかにして人間居住がなされてきたのかを読み解くことを目的として発足した。

アイルランドは、都市らしい都市が存在してこなかった土地であるといえる。バイキングやアングロ・ノルマンの侵略、16世紀末から17世紀初頭に渡るイングランドの植民地化計画、18世紀の地主制度の影響のもとで、その輪郭が形作られた大都市が港湾部に存在する。一方で、それら大都市の間に存在する集落では、家々が一定のまとまりと距離を保ち、集合しつつも散在する。これらは明確な境界線によって定義することは困難であるものの、アイルランドにおける居住の歴史の根幹をなすものと考えられる。

都市部では侵略と都市計画という外的な要因を、小集落については土地に根ざした岩盤・地質、地形、墓地、神話・民話などの要素を、それぞれ重視した分析により、総体としてアイルランドに固有の居住のかたちを探求することが我々の研究方針である。

現在は都市・集落の代表的類型として以下の三つをかかげ、各方面から現地調査と史料調査とを行っている。

  1. 植民都市: アーマー(Armagh)、デリー(Derry)
  2. 港湾都市: ダブリン(Dublin)、ゴールウェイ(Galway)
  3. 小集落 : アラン島(Aran Islands)

本研究会は2014年度より活動が本格始動し、今後も現地調査を実施する予定である。

主な活動

  • 2013年05月 研究会発足、以後、定例研究会を実施
  • 2014年08月 第1回 現地調査
  • 2015年08月 第2回 現地調査
  • 2016年09月 第3回 現地調査

成果

参加メンバーによる関連業績

  • 高松めい『アイルランド西部小村の空間史-アラン諸島におけるタウンランドを通して-』(2014年度年度東京大学大学院工学系研究科修士論文)

参加メンバー

所属は参加時点、特記なき場合は東京大学・伊藤研究室。

  • 伊藤毅
  • 勝田俊輔 (東京大学大学院 人文社会系研究科)
  • 田付秋子 (共立女子大学)
  • 赤松加寿江
  • 松田法子 (京都府立大学)
  • 初田香成
  • 高松めい
  • 下坂裕美
  • 内海理美
  • 寺田慎平
  • 小南弘季
  • 池田知穂
  • 中村駿介
  • 橋本剛志
  • 海老原利加
  • 岩田会津
  • 杉山結子